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犬のダニについて
犬にダニがいるときの症状
犬で問題になるダニには、マダニ、ヒゼンダニ、ニキビダニなどがいます。
特に身近で問題となるダニはマダニです。
マダニに咬まれると、咬まれてた部分に皮膚炎を起こしたり、貧血や栄養障害などの病害を起こします。
また、マダニが媒介する病原体は様々な感染症の原因となり、場合によっては死に至る危険性もあります。
ヒゼンダニは顕微鏡でないと見えないダニで、初期は目の周りや耳など被毛が薄い部分に発疹が出来て、激しい痒みを引き起こします。
掻くことで皮膚が傷つき、ふけやかさぶた、脱毛がみられるようになります。
ニキビダニは健康な犬や人の皮膚に常在していますが、免疫力低下などによって増殖してしまった場合に顔面や四足の先端に脱毛を起こします。
犬がダニに噛まれてかかる病気
マダニは様々な病気を運びます。
・バベシア症
バベシアという原虫が犬の赤血球に寄生することで赤血球が破壊されてしまう病気です。
貧血、発熱、黄疸、食欲不振などがみられ、重症の場合は死に至る場合もあります。
・ライム病
スピロヘータという細菌が感染することにより発症します。
成犬では無症状の場合もありますが、子犬や老犬では多発性関節炎を起こす特徴があります。
発熱、元気消失、体重減少がみられることもあります。
・Q熱
殆ど無症状で微熱が出る程度ですが、妊娠中の犬が感染すると流産を引き起こします。
但し、人が感染した場合には約50%の確率で発症します。
10~14日潜伏期間の後、急性のQ熱を発症すると40℃の高熱・悪寒・頭痛・筋肉痛や倦怠感といった、インフルエンザに似た症状がみられます。
この症状は約2週間で治まります。
半年以上にわたり感染が継続し慢性型になると、症状は重篤化して合併症として肝炎や骨髄炎、心内膜炎などを起こす危険性があります。
一度感染すると、免疫がつくので再び発症することはありません。
・日本紅斑熱
犬では無症状ですが、人が感染すると39~40℃の高熱や頭痛・悪寒・倦怠感などがあらわれ、発疹(紅斑)が全身にみられます。
また、刺し口が赤く腫れるなどの症状がみられます。
犬のダニの取り方・駆除
・マダニ
手で取ってはいけません。
摘まむことによりマダニの中の病原体が犬の体内に入ってしまう危険性があります。
皮膚に寄生し吸血しているマダニを無理に取ってしまうと、食いついていた口だけが皮膚に残り、そこから炎症を起こしたり化膿してしまう場合があります。
マダニを自宅で取る場合にはピンセットや毛抜きを使用し、マダニの口を皮膚に残さないよう慎重に引き抜きましょう。
あるいは、無理をせず動物病院で取ってもらいましょう。
・ヒゼンダニ
注射薬や内服薬で駆除します。
・ニキビダニ
殺ダニ効果のあるシャンプーでの薬浴や、内用薬の投与を行います。
犬のダニ予防
・マダニ
草むらややぶに生息しており、犬が吐く二酸化炭素や体温、体臭を感知して犬に飛び移ります。
緑が多い場所にはあまり入らないようにしましょう。
また、公園や河原にも生息しているので、散歩から帰る前にブラッシングをして吸血される前にマダニを落としましょう。
家の敷地内で落とすと家で繁殖させてしまいます。
定期的にマダニを駆除する薬を使用することも大切です。
・ヒゼンダニ
犬同士の接触により感染するので、既に感染している犬との接触を避けます。
・ニキビダニ
ニキビダニ症には犬の免疫低下が大きく関わっているので、ストレスの少ない環境を整えましよう。
犬のダニの薬
ダニの薬はホームセンターなどでも販売されていますが、残念ながら殆ど効果は期待出来ません。
動物病院で処方してもらいましょう。
・マダニ
動物病院で取り扱う薬には、首の後ろに液剤を垂らす滴下剤と、飲ませるタイプの薬があります。
滴下剤は殆どの犬で問題なく使用することが出来ますが、敏感肌の子では、薬を塗布した部位が赤くなったり、肌が荒れて脱毛することがあります。
ノミも同時に駆除できます。
飲ませる薬は美味しい味が付いたものが主流で、大概の子は喜んで食べます。
滴下剤と違い投与後すぐにシャンプーできる利点があります。
フィラリアが一緒に駆除できる薬もあります。
但し、薬が身体に合わない子では嘔吐や下痢の症状がみられる場合があるので、体調に変化があれば獣医に伝えましょう。
・ヒゼンダニ、ニキビダニ
主にダニを駆除する効果のある薬を投与します。
細菌による二次感染で膿んだりしている場合には、そちらに効果のある薬も必要になります。
おすすめの犬のダニシャンプー
ダニ用の専用シャンプーでダニが駆除できると考える飼い主さんもいるようですが、残念ながら効果は殆ど期待出来ません。
マダニは皮膚にしっかりと食いついて吸血しており、シャンプーで取れたとしても皮膚に食いついていた口の部分が皮膚に残ってしまいます。