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犬の水頭症について
犬の水頭症とは
頭蓋骨の内側に脳脊髄液が過剰に溜まる、小型犬に多い病気です。
脳脊髄液が脳を圧迫し、圧迫される部分によって様々な症状が現れます。
犬の水頭症の原因
水頭症の原因のほとんどは遺伝性や先天性のものが原因と言われています。
脳脊髄液はどんな犬の頭蓋骨の中にも存在し、外部の衝撃から脳を守ったり、脳の水分量を調節する役割を担う液体です。
この脳脊髄液が産まれつきの異常により上手く循環されなかったり、上手く吸収されなかったり、出生前にウイルスに感染したりする事で過剰に貯蓄され、水頭症を発症します。
また後天的に発症する場合の原因としては、事故などで頭部に外傷を負った場合・ウイルス感染による脳の病気(脳髄膜炎や脳炎)が原因となり発症する場合があります。
以前は泉門の大きい犬が水頭症になりやすいと言われていましたが、今は水頭症と泉門の大きさに関連性は無いとされています。
犬の水頭症の症状
水頭症は脳脊髄液が過剰に溜まる為、見た目にも症状が現れます。
おでこの部分が大きく丸く出っ張る等の頭部の変形・目が外側を向いている外斜視・眼球が飛び出た状態(瞼が上に引っ張られているような顔)など見た目に変化が現れます。
しかし、これはあくまで水頭症を疑う段階であり、このような特徴がある全ての犬が水頭症を発症しているわけではありません。
特にチワワなどは当てはまる特徴を持つ子が多くなりますが、正常なチワワの特徴(アップルヘッドや外斜視)である事も多く、この見た目だけで水頭症とは判断はできません。
勿論外見に目立った症状が出ない子もいます。
見た目以外の症状は行動異常や意識障害、視力障害、麻痺など様々な症状が現れます。
脳のどの部分が・どの程度・どれくらいの期間圧迫され障害を受けたかにより出てくる症状が違ってくる為、水頭症として必ずしも起こる症状というものがありません。
症状が出るのは生後二、三ヵ月以降で、一歳になるまでに診断される事が多くなります。
普通に産まれ健康的に育ってきた子が、徐々に見た目に変化が出たり、突然具合が悪くなったり異常行動を取り出した時に発覚する事が多くなります。
後天的な原因で発症する子には発症時期や年齢は関係ありません。
犬の水頭症の治療方法
水頭症は先天性な原因が多い為に予防する事が難しく、完治する病気ではないので、症状の緩和を目的とした治療になります。
また、なんらかの症状が出た場合のみの治療になるので、何も症状が出ていない場合には治療をせず様子をみる事が多いでしょう。
治療方法には内科的治療と外科的治療があり、まず投薬で内科的治療を行い、効果がなかった場合に外科治療を行う事があります。
また、早期発見・早期治療が重要になる病気なので、普段から飼い犬の状態をチェックする事が大切です。
犬の水頭症の薬
高圧利尿剤など水分を出して脳脊髄液を減らし、圧力を下げる薬や、ステロイドを処方される事が多いと思われます。
その他にも発作が起こっている時には発作を抑える薬など、併発した症状による薬も処方されます。
犬の水頭症の手術
犬の症状や状態により手術方法は異なります。
頭に針を刺して脳脊髄液を抜く方法や、脳脊髄液を排出する為の管を脳と腹部につなぐ「シャント療法」などの手術があります。
正し外科的治療には感染症のトラブルの可能性もある他、必ずしも改善につながるわけではないのでしっかり獣医師と相談するようにしましょう。
犬の水頭症の寿命
症状が犬によって違ってくる病気なので、水頭症を発症した場合の平均的な寿命というものはありません。
ただ、進行性の病気なので、健康体の犬に比べると早く寿命が訪れる事があります。
しかし、早期発見と正しい知識と治療法で飼い主が病気と向き合い、その子に見合ったお世話をする事で寿命を伸ばす事が可能な病気です。