Contents
犬の低血糖について
犬の低血糖の原因
血液中の糖分の濃度が低下し、細胞への栄養補給が十分に出来なくなることにより低血糖が起こります。
・仔犬の場合
生後3ヶ月齢頃までに多く見られます。
空腹の時間が長くなり6時間ほど食餌を摂らないだけでも低血糖を起こすことがあります。
身体の冷えや、寄生虫により起こる下痢や嘔吐、環境の変化によるストレス、先天的な肝疾患なども低血糖の原因となり得ます。
・成犬の場合
5歳以上の犬に多く見られます。
インスリンを分泌する器官である脾臓にできる腫瘍や、肝臓機能の低下、副腎皮質機能低下症、敗血症などの病気により引き起こされます。
母犬の分娩前後のストレスのほか、胎児の数が多い場合や分娩後に胎児に大量に授乳することでも症状が見られます。
また、糖尿病の犬ではインスリンを投与することで血糖値を下げる治療を行いますが、インスリンを過剰に投与してしまった場合には低血糖症を起こすことがあります。
そのほか、空腹や過度な運動、興奮が原因となることもあります。
特にエネルギー量を多く必要とするゴールデン・レトリバーやジャーマンシェパードなどの大型犬では、低血糖症を発症しやすい犬種です。
犬の低血糖の症状
初期症状としては
元気が無くなる
食欲低下
などが見られます。
症状が重度になると
歩行困難
全身の痙攣
失明
昏睡
などを示します。
犬の低血糖時の処置・対処方法
犬が低血糖症を発症した際には、直ちに血糖値を正常な状態に戻す必要があります。
応急処置として、ブドウ糖や砂糖水などを与えます。
ブドウ糖には液体や顆粒状の製品がありますが、液体の方が食欲の無い時でも与えやすく便利です。
また、食餌が摂れるようであれば与えます。
ブドウ糖や食餌を飲み込ませることが困難な場合には、ガムシロップを舌や歯茎、頬の内側に塗ります。
応急処置が済んだら早急に動物病院を受診する必要があります。
体温の低下も低血糖に繋がるので、移動中もエアコンや毛布を使用し身体を冷やさないように気をつけましょう。
動物病院での治療はまずブドウ糖を投与しますが、意識が無いなど口からの投与が困難な時はブドウ糖を静脈内に注射します。
また、ステロイド剤を注射し血糖値を上昇させることもあります。
成犬の場合では、低血糖症を引き起こす原因となる病気がある場合も多いので、病気の治療を行います。
低血糖は早期に発見し対処することで重症化を防ぐことができるので、日頃から犬の様子を良く観察しましょう。
犬の低血糖で気おつけたい食事
空腹の時間が長くなると血糖値が下がってしまうので、特に仔犬では食餌の間隔には十分に気をつける必要があります。
食欲が戻れば食餌やブドウ糖を一日数回に分けて与え、血糖値を維持することで再発を防止します。