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犬の中耳炎について
犬の中耳炎の原因
一般的な中耳炎の原因は、外耳道で細菌や真菌が繁殖することで外耳炎が起こり、その後症状が悪化し鼓膜の奥にある中耳にまで炎症が広がることで中耳炎を引き起こします。
そのため中耳炎は、外耳炎になりやすい
アメリカン・コッカー・スパニエル
ミニチュア・ダックスフンド
ビーグル
など垂れ耳の犬種で多くみられます。
片側の耳だけに中耳炎を起こしている場合は
炎症性ポリープ
線維腫
扁平上皮癌などの腫瘍
異物による鼓膜の貫通
などが疑われます。
犬の中耳炎の症状
耳から悪臭がする・耳を触らせなくなる・耳を引っ掻く・耳垢が多く出るなど外耳炎の症状と殆ど同じ症状がみられるので、飼い主さんが中耳炎になっても気づかないケースが多くみられます。
また、著しい痛みを示したり神経症状が起こる場合もあり、眼振(眼球が痙攣したように動く)や首を傾ける、顔面神経の麻痺を起こす、といった様子がみられることがあります。
目の周りの交感神経に異常が起こる「ホルネル症候群」の発症にも繋がります。
ホルネル症候群を起こすと、神経に障害を受けた側の目の瞳孔に縮小がみられたり、瞬膜(目頭の白く薄いまぶた)が出たままになる、眼球が奥に引っ込むといった症状が表れます。
犬の中耳炎は自然治癒する?
中耳炎を治療せずに放置すると、慢性化するだけでなく内耳炎へと進行し、更に膿瘍や脳炎を起こし、最悪の場合死に至ることもあります。
また、治ったとしても首が傾いたり、運動失調などの神経障害が残る場合があります。
耳の病気は軽視されがちですが、早い段階で対処する必要があります。
犬の中耳炎が治らない
中耳炎は治りにくい病気です。
通院しても治りが悪いからと治療を途中で諦めてしまうと、耳の状態は更に悪化します。
中耳炎の原因の多くは外耳炎から引き起こされるものなので、初期の外耳炎の段階できちんと治療を受け完治させておくことが最も大切になります。
耳の異変に早く気付けるように、日頃からこまめに耳の中をチェックしましょう。
犬の中耳炎の市販薬
中耳炎は内耳炎の一歩手前の状態であり、自己判断で市販薬を使うことは大変危険です。
また、耳の薬には色々な種類がありますが、原因によっても使用する薬は異なります。
獣医師の指示の下適切な治療を行うことが、早く治すコツです。
犬の中耳炎は外科手術で治る?
抗生物質や消炎剤などの内科的治療で改善がみられず、外耳炎を併発している場合には外耳道を全て切除したり、鼓膜を切開し中耳を洗浄するなどの手術を行います。手術により完治することも可能です。
犬の中耳炎の治療費
動物病院や症状により異なりますが、検査や内服薬などに五千円~一万円ほどかかります。
麻酔をかける処置が必要であったり、外科手術が適用される場合には数万円かかることもあります。
直接動物病院に問い合わせて確認することをお勧めします。