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猫の嘔吐について
猫が嘔吐をする原因
・毛玉
猫はきれい好きなので、頻繁に毛づくろいすることで大量の毛を飲み込み、胃の中で毛玉になってしまうことがよくあります。
通常であれば毛玉は吐き出すか便と共に排出しますが、大量に溜まると胃腸の出入り口を塞ぎ、体外に毛玉が排出されなくなる「毛球症」になってしまいます。
毛玉を吐きやすい子は、日頃からブラッシングして無駄毛を取り除くことで飲み込む毛の量を減らしてあげましょう。
ヘアボールコントロール用のフードへの切り替えも有効です。
・ストレス
猫は、同居する人や動物が増えた場合や引越しなどの環境の変化に敏感です。
環境の変化はストレスの原因となり、嘔吐を引き起こすことがあります。
猫が快適に過ごせる生活環境を整えてあげましょう。
・異物の誤食
紐や輪ゴム、おもちゃの飾りなどを誤食すると、体外に出すために嘔吐します。
体内に留まり排出されない場合には開腹手術を必要とするケースもありるので、猫の行動範囲内には誤食してほしくない物を置かないよう気をつけましょう。
・便秘
便秘気味の猫の便は固いので、トイレで力んで排泄しようとして一緒に嘔吐してしまうことがあります。
また、便秘が長期的に続くことで腸管内に便で詰まり、排便困難な状態となり食べた物を嘔吐することもあります。
・消化器系の病気
食道炎では食べ物を飲み込むときに痛みを伴うため食後すぐに吐きます。
胃炎・胃潰瘍・膵炎なども、炎症を起こす場所への刺激などにより嘔吐します。
また、腫瘍ができることで胃や腸が圧迫され吐くことがあります。
・感染症
猫パルボウィルス感染症として知られる 猫汎白血球減少症では、突然吐き気が止まらなくなります。
子猫で発症しやすく死亡率の高い病気ですが、発症してから5日間ほど乗り越えると回復する見込みは高いです。
寄生虫感染で吐くこともあります。猫回虫が寄生していると嘔吐物に約5~10cmのそうめんのような虫が混じることがあります。
・腎臓や泌尿器系の病気
腎臓には体内の尿素や窒素などの多くの老廃物を排出する役割がありますが、腎臓の機能が低下するとこれらを排出出来なくなり、結果体内に老廃物が蓄積してしまいます。
これを尿毒症と言い、嘔吐や下痢、食欲不振など多くの症状を引き起こします。
尿道結石などにより閉塞を起こし、排尿出来なくなることでも同様に尿毒症になることがあります。
猫が嘔吐を繰り返す
重度の消化器系の病気や毒物の摂取、感染症などの疑いがあります。
吐く様子を繰り返しても何も出て来ない、胃液しか出ない、もしくは食べるとすぐに吐くといった場合には紐やビニールなどの異物を誤食した可能性があります。
猫が嘔吐して下痢もしている
ウイルス性の感染症や中毒を引き起こす物を摂取してしまった疑いがあります。
嘔吐と下痢を併発することで、より脱水を起こし状態は悪化します。
元気があり一時的な場合もありますが、早急に治療する必要があります。
猫が嘔吐して震えている
猫にとって毒性のあるユリなどを摂取し中毒を起こすと
嘔吐や震え(痙攣)
よだれを大量に流す
高体温
下痢
などの症状を示します。
熱中症や尿毒症
猫伝染性腹膜炎
肝リピドーシス
などの病気でも嘔吐と痙攣が見られます。
これらは多くの場合、症状が進行し重度になると痙攣を起こります。
また、何らかの原因により嘔吐を繰り返すことで衰弱し、低体温になり寒くて震えることもあります。
猫の嘔吐物の性状・黄色・茶色・緑色・白い泡・血が混じる
肝臓で生成された胆汁が腸ではなく胃の方へ逆流し、胃液と混ざり胃酸過多になり吐くことがあります。
この場合、黄色や黄土色、稀に緑がかった嘔吐物になります。
白い泡は胃酸、黄色い液体は胆汁で、空腹時や便秘の時にも見られることがあります。
食道炎・胃炎・胃潰瘍などの消化器系の病気や毒物の摂取、寄生虫の感染などにより粘膜が炎症を起こし、胃や消化管から出血を起こすことがあります。
この場合、血液が酸化されるために茶色~黒に近いチョコレートのような色になります。
嘔吐物から血生臭いにおいがすることもあります。
茶色でペースト状の嘔吐物は、胃の中で完全に消化できなかったフードである可能性が高いです。
毛玉を吐くときに、一緒に吐き出されたりします。
植物を食べ嘔吐物が緑色になることもあります。
胃の調子が悪いときに草を食べたがりますが、いわゆる猫草であれば問題ありませんが、中には毒性のある植物や殺虫剤のかかった雑草を食べ中毒を起こす子もいるので注意しましょう。