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猫がよだれを垂らす原因
よだれをだらだらと垂らしている猫をたまに見かけることがあります。
犬は運動後に口呼吸が激しくなると自然によだれが出てきますが、猫は基本的に口で呼吸をしません。
猫がよだれをだらだらと垂らす理由は以下の二つが考えられます。
・唾液の分泌量が多すぎる
・口の中に異常が発生していて、唾液を飲み込むことができない
そしてこのような状態になる原因として最も多いのが、「口内炎」や「歯周病」といった口内のトラブルです。
口内炎は病気の猫や体が弱った老猫に多く見られる症状です。口の粘膜や歯茎に炎症が発生して真っ赤に腫れ上がります。
歯周病は歯周病菌の繁殖によって歯茎や歯を支える組織が炎症を起こす病気です。進行すると歯茎から膿が出て、歯が抜け落ちてしまいます。
いずれの場合も猫は痛さから物を食べたり飲む込むのが辛くなります。
その影響で分泌される唾液を飲み込むことができずに、よだれをだらだらと垂らしてしまいます。
猫の様子が元気がなくよだれを垂らしている
愛猫がフードを食べてくれない、元気がなくほとんど動かないときに出るよだれは、口内のトラブルではなく別の原因が考えられます。
例えば「猫カリシウイルス感染症」です。
通称「猫風邪」と呼ばれている、ウイルスが原因で引き起こされる病気です。
人間の風邪と同じように鼻水やくしゃみ、咳が激しくなり、呼吸が苦しくなって口を開けたときによだれを垂らすこともあります。
猫風邪は重症化すると死に至ることもあるため、甘く見ないで早めに動物病院を受診してください。
猫のよだれが止まらない
よだれの元である唾液は、口の中に物が入っているときに粘膜が刺激されて分泌されます。
口の中に異物が詰まっていたり、歯茎や粘膜に物が刺さると、唾液が過剰に分泌されてよだれが止まりにくくなります。
このようなときはまず猫の口を優しく開いて中を確認しましょう。
異物が詰まっている場合は、おもちゃやビニールなどのゴミを誤飲した可能性があります。
指を突っ込んで取り出そうとすると、逆に喉の奥に押し込んでしまうことがあります。
後頭部の下をさすっても出てこないときは、速やかに動物病院へ連れて行ってください。
歯茎や粘膜に物が刺さっている場合も、下手に取ろうとして傷を悪化させる恐れがあるため、動物病院で治療を受けてください。
ほかにも稀ですが老猫の場合は「口腔内腫瘍」いわゆる癌の可能性があります。
口の中に腫瘍ができると異物が入っているのと同じ状態になり、痛みも伴うことから唾液が過剰に分泌されます。
猫のよだれが臭い
よだれそのものに臭いはあまません。異臭がするのは歯周病の影響が考えられます。
歯周病菌は口の中のプラーク(歯垢)をエサにして増殖して、歯肉などの組織を破壊して炎症を引き起こします。
このときに歯周病菌がメタンや硫化水素といったガスを生成するため、口から卵や肉が腐ったような悪臭を放つようになります。
つまり臭いの原因はよだれではなく歯周病なのです。
猫のよだれに泡が混じっている
よだれにブクブクとした泡が混じっている場合は、食中毒の疑いがあります。
チョコレート、アボカド、ネギ類、ユリなどを猫が口にすると、中毒によって呼吸困難を引き起こすことがあります。
息が苦しくなると唾液が喉に詰まりやすくなりブクブクとした泡が混じります。
そこでグッと喉に力を入れて息を吐き出しますが、このときに一緒によだれがこぼれることがあります。
猫が寝ているときによだれを垂らしている
猫は寝ているときでも鼻で呼吸をします。
ところが鼻が詰まっていると、息苦しくなって寝ている間に口を開いて、隙間からよだれがこぼれることがあります。
鼻詰まりの原因が軽い風邪や鼻炎であるなら放っておいても自然に治ります。
ですがもし鼻にポリープなどのデキモノがある場合は、絶対に引っ張り出さずに動物病院を受診してください。
なお春先にこのような症状が起こる場合は「花粉症」の可能性があります。
猫に人間と同じように花粉症になることがあるとされています。
猫が甘えるとよだれを垂らすの?
「甘えてきた猫がよだれを垂らす」という話をインターネットで稀に見かけます。
しかし、猫は犬とは違って基本的に口で呼吸をしません。
ですから何もなければよだれが出ることはないのです。
このようなことはかなり稀であり、猫の習性とは無関係です。
つまり甘えるときによだれを垂らすのではなく、愛猫が飼い主さんの近くに寄ってきたことでよだれが出ていることに気付いたのです。