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猫の鼻炎を治す手段
猫の鼻炎の症状
鼻炎は鼻の粘膜に炎症が発生することで引き起こされる病気です。
くしゃみや鼻水が多くなり、鼻がつまりやすくなります。
症状そのものは命に関わるものではありません。
しかし、ほぼ鼻呼吸の猫は鼻炎が酷くなるとスムーズな呼吸が難しくなりなります。
また鼻がつまることで嗅覚が鈍くなるため、食欲の低下に繋がってしまいます。
鼻炎を引き起こす原因はウイルスや真菌などの細菌です。
外に出している猫や拾ってきた猫は、さまざまなウイルスや細菌と接触する機会が多いため、鼻炎に罹りやすい傾向があります。
猫の鼻炎にかかる治療費
鼻炎を発症するとなかなか症状が治まらず長引くため、治療には時間がかかり、医療費も高くなりがちです。
1回当たりの治療費としては、薬の処方だけなら500~2000円程度、注射などを行う場合は3000~6000円程度かかります。
なお動物病院は自由診療のため治療費は病院ごとに異なります。
どれくらいの治療費がかかるのか事前に確認しましょう。
猫の鼻炎が治らない
鼻炎が治らない場合はアレルギーの可能性があります。
大きく分けて「通年性アレルギー性鼻炎」と「季節性アレルギー性鼻炎」があります。
通年性アレルギー性鼻炎はホコリ、ハウスダスト、ダニなどのアレルゲンが原因で、1年を通して症状が続きます。
一方の季節性アレルギー性鼻炎は、春や秋など特定の季節に症状が酷くなります。
スギやヒノキの花粉を吸い込むことで発症する「花粉症」がその代表です。
猫も人間と同じように花粉症になることがあるとされています。
またアロマオイルを焚いたときに症状が酷くなる猫もいます。
アレルギーは免疫反応の異常が引き起こす病気です。
猫の体内ではウイルスや細菌から身を守る「免疫細胞」というパトロール部隊が働いています。
ところが何らかの原因で免疫細胞の働きに異常が発生すると、本来は無害なホコリや花粉を異物と誤認してしまいます。
すると抗体が大量に生成されて、自らの体を攻撃してしまいます。
ですからアレルギーを抑えるためには、鼻炎そのものに対処するだけではなく、免疫細胞に働きかけて抗体の生成を抑える必要があります。
猫用の鼻炎のサプリメント
アレルギー性鼻炎やウイルス性鼻炎には「乳酸菌」のサプリメントがお勧めです。
乳酸菌には免疫細胞を活性化する作用があり、免疫力を高める効果が期待できます。
免疫力が高まると免疫細胞が正常に働くようになり、異常な抗体の生成が抑えられます。
このためアレルゲンを吸い込むことで引き起こされる鼻水やくしゃみの緩和に繋がります。
さらに乳酸菌によって免疫細胞が強化されることで、ウイルスに感染しにくくなり、感染したとしても免疫細胞がウイルスを撃退してくれるため治りが早くなります。
乳酸菌を摂ることでウイルス性鼻炎の緩和に繋がります。
副作用は特にありませんから、ぜひ愛猫に摂らせると良いでしょう。
猫用の鼻炎の漢方薬
最近ではアレルギー性鼻炎の症状を緩和する目的で漢方薬を処方する動物病院が増えています。
漢方薬は西洋薬と違って即効性はありませんが、効き目が穏やかで副作用が少ないのがメリットです。
漢方では酷い鼻水やくしゃみを水毒と捉え、水はけを良くする生薬が処方されます。
代表的な生薬は中枢神経に作用する「麻黄」です。
また鼻の粘膜に充血やうっ血が発生している場合は、血液の循環を整える目的で「川きゅう」が処方されます。漢方薬によって体質の改善を図ることで、鼻炎を根本から治すことに繋がります。
どの生薬が適しているかは猫によって異なります。
漢方薬に興味がある方は、まず漢方に精通した獣医がいる動物病院を探しましょう。
人間用に処方された漢方薬を与えるのは絶対に止めてください。
猫用の鼻炎の抗生剤
鼻炎を引き起こすウイルスや細菌を殺す目的で抗生剤を投与することがあります。
抗生剤を使うことで鼻水やくしゃみなどの症状を抑えることができます。
ただし抗生剤には耐性菌が生まれるという問題があります。
つまり抗生剤を使い続けるうちに抗生剤が効かない菌が現れるのです。
ですから無闇な抗生剤の多用は控えたほうが良いとされています。
抗生剤にはそれぞれ効き目の強さや副作用に違いがあります。
愛猫にどの抗生剤が適しているのか獣医と相談したうえで投与して貰いましょう。
猫の鼻炎の治し方
鼻炎は主に投薬で治します。抗菌薬や抗炎症剤を、真菌による鼻づまりには抗真菌剤を、点鼻したり経口摂取させます。
アレルギー性鼻炎は発症すると完治することはほとんどないとされていますが、ステロイド剤を投与して過剰な免疫反応を抑えることができます。
なお生活空間からホコリや花粉などのアレルゲンを取り除くことで症状を抑えることができます。
部屋の掃除を徹底し、花粉が飛散する季節は窓を開けないようにしましょう。