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犬の血尿について
犬の血尿の原因
愛犬の尿に血が混じっていた場合は、腎臓・膀胱・尿管・尿道のどこかに出血している場合が多く、また「オスは前立腺」「メスは子宮・膣」などの疾患で血が尿と混じり出ることが考えられます。
【主な原因】
・尿路結石・尿道結石
カルシウムの取り過ぎや水分不足が原因。
・膀胱炎
腫瘍・寄生虫またはストレスにより免疫力が低下し、細菌感染による膀胱炎を悪化させる。
・膣炎(メス犬のみ発症)
膣が尿や便に汚染され炎症する。
・子宮蓄膿症(メス犬のみ発症)
子宮に細菌が入り込み、子宮内に膿が出る。
・前立腺炎(オス犬のみ発症)
細菌が尿道や膀胱から入り込み前立腺が炎症。
・前立腺肥大
原因の1つとして、ホルモンのバランスが崩れ前立腺肥大に繋がります。
・中毒
ネギ・チョコレート・ぶどうの摂取による中毒症状。
・感染症
細菌やウイルスによる感染症。
犬の血尿(オス)
オス犬に気を付けなければならないのが
前立腺炎
前立腺肥大
尿結石
の3つがあります。
尿結石はメス犬にも当てはまる症状ですが、オスの方が尿路が長いため、尿結石になりやすいので気を付けなければなりません。
特に去勢をしていないオス犬は5~6歳頃から男性ホルモンのバランスが崩れ、前立腺肥大にかかりやすいと言われています。
犬の血尿(メス)
メス犬に気を付けなければならないのが
膣炎
子宮蓄膿症
による症状です。
・膣炎
年齢や避妊の有無、発情期など関係なく発症。
・子宮蓄膿症
発情後期に子宮に細菌が入り込みやすく、子宮内に膿が貯まる。
子宮蓄膿症は避妊していないメス犬に発症が多いといわれている。
犬の血尿の性状
血尿は主に
赤血球の混入
ヘモグロビン(血色素)
により尿が赤く染まります。
・赤血球の混入
石・感染・炎症・腫瘍が原因により泌尿器が出血する。
・ヘモグロビン(血色素)
中毒・寄生虫・細菌が原因により赤血球が破壊され、ヘモグロビン(血色素)が尿に流れ出る。
血尿の色は、
茶
ピンク
オレンジ
赤
など、出血箇所(状態)によって異なります。
そのなかでも血尿と一緒に血の塊が出た場合は、膀胱炎である可能性が高いため、気付いたら早めに動物病院に行くことをおすすめします。
また、ポタポタ垂れるような鮮血な血尿が出た場合は結石により尿道が傷付いている可能性が非常に高くなります。
犬の血尿と症状
犬の血尿には以下の症状に注意をし、早めの診療が必要になります。
・頻尿(何度もトイレに行く)
神経質な犬に多くみられる症状で膀胱炎の疑いが高いです。
・貧血・嘔吐・下痢・黄疸・血便
ネギ類などを食べた時の中毒症状に見られ、溶血性貧血という貧血の症状になるだけでなく様々な症状が出てきます。
・排尿困難(尿意はあるが、なかなか尿が出ない)
膀胱腫瘍が大きくなり尿の出口をふさいでしまい、尿を出にくくする。
・息が荒い
細菌やウイルス(レプトスピラ症・バベシア症・フィラリア症)などに感染することで、心臓に負担がかかり呼吸が荒くなることがある。
・陰部を気にする
犬は痛み・痒み・臭いがある場所を舐める傾向がある。
・元気がなく、フラフラしている
貧血状態や体力低下により元気がなくなり、まともに歩くことが困難になる。
・食欲不振
尿道閉塞や腎盂腎炎などで尿毒症により食欲不振を招く。
・多飲多尿(尿の量が多い)
膀胱などに腫瘍や細菌が感染したことで多飲多尿になる。
・尿がキラキラ光っている
尿の中のミネラル成分が結晶化してキラキラ光って見える。
症状が進むと尿結石になるので注意が必要。
犬の血尿老犬
老犬で一番気を付けることが、年齢を重ねるにつれて免疫力が低下し、膀胱炎や膀胱疾患、腎臓疾患を発症しやすくなります。
特にメス犬なら
膀胱腫瘍(ガン)
オス犬なら
前立腺炎
前立腺肥大
のリスクが高まるので注意が必要になります。
膀胱腫瘍は避妊の有無は関係なく発症しますが、前立腺炎・前立腺肥大は去勢することでテストステロン(オスのホルモン)の分泌が抑えられるため予防対策として去勢手術がおすすめです。