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犬の内耳炎について
犬の内耳炎の原因
内耳炎のほとんどの原因は細菌性のものです。
まず外耳炎を発症し、そこから炎症が広がり中耳炎になり、それが内耳まで及んで内耳炎となります。
また、外耳の炎症だけではなく口腔内や鼻腔内の炎症から引き起こされる事もあります。
細菌性の原因の他にも血中の病原体が感染する感染性、腫瘍、頭に衝撃を受けた時の外傷、異物混入などが原因となる場合もあります。
犬の内耳炎の症状
内耳には蝸牛と三半規管があり、音の伝わりや平衡感覚を保つ働きをしています。
なので内耳炎を起こすと神経症状や難聴などの症状が見られます。
主な症状は
・頭を振る、
・頭が斜めに傾く(斜頸)
・同じ方向にぐるぐる回る(旋回)
・黒目が左右に揺れる(眼振)
・立つ事や歩くことができなくなる
・神経症状からくる嘔吐や食欲不振
・元気消失
などの症状が現れます。
また、内耳の近くにある神経にまで炎症が及ぶと、顔面麻痺の症状も引き起こされる場合もあります。
内耳炎を発症した犬は慢性的な外耳炎や中耳炎を併発している事が多いので、その場合には耳の痛みや悪臭、耳ダレなどの症状もみられます。
犬の内耳炎は完治する?
内耳炎は原因に対して正しい治療を行えば治る病気です。
しかし慢性化した場合には内耳神経が障害され難聴になったり、脳に感染を起こして髄膜炎になったり、膿が溜まって袋状になる膿瘍を引き起こす事がある病気です。
悪化すればするほど長引いたり症状が重くなる為、完治させる為には早期発見・早期の治療開始が必要です。
特に細菌性の場合は中耳炎・内耳炎に及ぶ前に、外耳炎になった段階で治療を開始する事が重要で、その為にも普段から飼い主が犬の耳の状態をチェックしたり、定期健診を受ける事が大切です。
犬の内耳炎の薬
内耳炎の多くは抗生剤の長期投薬(6から8週間)により完治させる事が可能です。
外耳炎や中耳炎を併発していて痛みが激しい場合はステロイドや非ステロイド抗炎症薬を内服する事により痛みを抑えます。
犬の内耳炎の治療方法・治療費
内科的処方では抗炎症剤や抗生剤の投薬により外耳炎・中耳炎の治療を行い、外耳炎・中耳炎を起こしやすい病気がある時はその治療も施されます。
薬の効果が見られない場合には外科的治療が行われます。
重度の感染や嘔吐などの症状が出ていた時には、皮下点滴や入院などの処置がとられます。
治療費は大体合計40000円前後ですが、検査方法や手術の有無、通院回数などにより治療費は変わります。
犬の内耳炎の手術
慢性化してしまった場合や内服薬の効果が見られない時は、中耳の鼓室胞という部屋に穴を空けて中の洗浄をする全耳道切除手術・鼓室胞骨切術という手術が行われます。
しかしこの手術は顔面麻痺がおこるなどのリスクもある為、獣医とよく相談した上で手術を行うかどうかを決めなければなりません。