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犬の僧帽弁閉鎖不全症の症状
多くの場合、心音の聴診による心雑音で発見されます。
飼い主がさんが明らかに認識出来るの症状は咳です。
初期の段階では激しい運動をした時や興奮時に咳をします。
喉に何か引っかかったような咳をしたり、飲水時にもむせるような咳をする様子が見られます。
寝てばかりいるなど、活動性が低下することもあります。
重症化すると、
安静時でも夜中や明け方に連続した咳をする
運動時に疲れやすくなりすぐに息が上がる
散歩の途中で座り込む
呼吸困難(お座りの姿勢で前足を普段より広げ、胸を広げるように呼吸する )
といった状態になります。
散歩中などに失神して倒れてしまうこともありますが、多くの場合数分で意識が回復し、また立ち上がって歩き始めます。
更に肺に水が溜まり肺水腫を起こすと、呼吸がすぐに荒くなりなかなか収まらなくなり、チアノーゼを起こすこともあります。
呼吸困難とチアノーゼが見られる場合は非常に危険な状態で、放置すると死に至ります。
腹水が溜まってくることもあります。
食欲が低下し、体重減少も見られるようになります。
犬の僧帽弁閉鎖不全症の寿命
内科治療により約20%が2年以上生存するとされていますが、咳などの症状が出た症例の半数は約5~8ヶ月で死に至るとされています。
また、肺水腫を合併すると数日で死に至る場合もあります。
犬の僧帽弁閉鎖不全症の手術と費用
内科的な治療が主流ですが、根本的に治療するには外科手術しかありません。
僧帽弁修復術という手術が行われます。
手術は人工心肺装置を用いて心臓の動きを止めて行います。
技術的に難易度が高く、人工心肺装置などの設備が整った環境が必要になるため日本では限られた施設でしか行われていないのが現状です。
僧帽弁閉鎖不全症では僧帽弁が加齢などにより厚くなったり変形してうまく閉じられず、また、僧帽弁を支える腱索という繊維組織で出来たひもが延びたり切れたりします。
そのため、手術には2つのステップが必要です。
人工の糸で新しい腱索を作り(人工腱索再建術)、弁輪の大きさを縮める手術(弁輪形成術)を行います。
麻酔の時間は約200分と、大がかりな手術となります。
入院期間は通常1~2週間です。
手術後約1ヶ月は血栓予防薬を投与し、過度な運動は控えます。
弁は新しくなりますが、心臓そのものは変わらないので、手術後の良い状態を出来るだけ長く維持するため、ドッグランなどでの自由な激しい運動は控えなければなりません。
費用は動物病院により異なり、総額120万円と決められている病院もあれば、手術費が約140万円で、その他入院費や検査代に約30万円かかる病院もあります。
いずれにしても100万円を超える高額な手術になりますので、手術前に確認しておきましょう。
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