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猫の緑内障の原因から失明後まで
猫の緑内障の原因
緑内障は、眼内の圧力の上昇を特徴とする一連の病気であり、原発性と続発性に分けられます。
正常な眼球は、眼房水と呼ばれる液体によって圧力が一定に保たれています。
原発性緑内障は、遺伝が原因で眼房水の排出路に異常があるために適切に排出されず眼圧の異常が起こります。
続発性緑内障では、目の他の病気の影響で排出路が栓をされることで眼圧が上昇します。
猫では続発性緑内障がほとんどといわれています。
眼内腫瘍や水晶体脱臼・脈絡膜炎・前房出血などの病気のほか、ブドウ膜炎を引き起こす原因となる猫白血病ウイルス感染症や猫伝染性腹膜炎、トキソプラズマ症などの感染症も続発性緑内障を引き起こす原因となります。
猫の場合はブドウ膜炎に続き発症するパターンが最も多く、6才以上の中高齢猫で見られます。
猫の緑内障の初期症状・症状
外見の変化としては結膜の充血や眼瞼の痙攣・瞳孔の散大・角膜浮腫(角膜が白っぽく濁る)などが見られます。
猫の眼球は拡張しやく、末期になると眼球の腫大(牛眼)がしばしば見られます。
飼い主さんが初めに気付く異常は左右の目での瞳孔の大きさの変化が多いようです。
他にも目の痛みから目をしょぼしょぼさせる
元気
食欲が無くなる
頭部を触られることを嫌がる
つまずいたり物にぶつかるといった様子が見られることもあります。
最終的には失明してしまうことも多い難治性の病気です。
猫の緑内障は治るのか
緑内障は一度発症すると、視覚を取り戻し更にその視覚を長期間維持することは非常に困難です。
急性の緑内障では、緊急治療により視覚が回復する可能性があります。
慢性の場合は視神経の障害が進行し、視覚の回復は絶望的です。
猫の緑内障の目薬
高眼圧治療剤の目薬を使用します。
眼房水の産生を抑制する薬や眼房水の流出を促進する薬などがあります。
緑内障の目薬には使用方法によっては副作用が出るものがあるので、必ず獣医師の指示のもと使用しましょう。
猫の緑内障の治療法
原発性か続発性か、また治療を開始する時点で視力があるかなどを考慮しながら治療法が選択されます。
別の病気が原因で緑内障が引き起こされている場合には、まずは基礎疾患への治療が行われます。
点眼薬や内服薬・注射などで眼圧を下げる内科的治療や、房水の産生を抑えるために毛様体を破壊するレーザー治療、手術により別の部位に排出路を形成するなどの外科的治療があります。
失明してしまっている場合には、眼球の摘出手術と義眼を挿入する手術が選択されることがあります。
猫の緑内障を手術しないとどうなるのか
急性で早期に治療を開始した場合には手術をせずに内科的治療で改善が見られるケースもありますが、多くの場合回復には手術が必要になります。
手術をせずに放置すると、眼圧が上昇し目が飛び出したり、眼球破裂を起こすなどして失明してしまう可能性が高いです。
猫の緑内障の手術費用
手術前の血液検査や眼圧測定、手術で10~20万円ほどかかります。
動物病院により異なるので、直接問い合わせて確認しましょう。
猫の緑内障の失明後
食器や水飲み場・トイレ・ベッドなどは場所を変えると混乱してしまうので極力変えないようにし、移動させなければならない場合には少しずつ動かしましょう。
家具の移動もなるべく避け、猫が安心して動けるよう床に物を置かないようにします。
お気に入りの場所に高い所があれば、スロープを作るなど工夫してあげましょう。
突然触ると驚かせてしまうので、近づく時にわざと物音を立てたり、触れる前には声をかけましょう