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猫の肺炎について
猫の肺炎の原因
細菌やウイルス、真菌による感染
原虫感染(猫では特にトキソプラズマ)
寄生虫感染
アレルギー
食餌や異物の誤嚥
肺腫瘍
などの様々な原因により発症します。
タバコや有毒ガスなどによる刺激や抗癌剤が原因となることもあります。
また、特発性間質性肺炎という原因不明の肺炎もあります。
猫の肺炎の症状
急性と慢性がありますが、どちらも呼吸障害を起こします。
呼吸が浅く速くなる
咳をする
鼻水
呼吸にヒューヒューという異常な音が混ざる
発熱
食欲不振
元気がなくなる
疲れやすくなるなどの様子がみられます。
誤嚥性肺炎では吐出・嘔吐・嚥下困難などの既往歴が見られることもあります。
子猫では症状が現れてから急激に悪化することがあります。
肺炎が重症化すると猫は呼吸困難を起こし、苦しさのため横になることが出来なかったり、酷いとチアノーゼを呈します。
低酸素状態が続くと意識を失ったり、最悪の場合死に至ることもあるので早急な対処が必要です。
猫の肺炎と食事について
誤嚥性肺炎は食餌や異物、唾液、鼻水 などをを誤嚥することが原因となります。
これは、食道疾患や咽頭疾患のある猫や飲み込むための筋力が弱い高齢猫、人工哺乳の仔猫で気管にミルクが入ることや全身麻酔前の摂食などにより起こります。
誤嚥を起こしやすい猫は、身体を支えたり、猫の様子を見ながら時間をかけて少量ずつ与えるなど介助する必要とすることもあります。
既に肺炎を起こしている場合は、栄養バランスのとれた食餌を与えることが大切です。
食欲が低下していれば、温めて香りを出すなどの工夫をしましょう。
猫の肺炎は他の動物や人にうつるのか
肺炎という病気そのものは肺に起こる炎症であるため、動物や人にうつることはありません。
しかし、肺炎を起こす原因となり得る細菌やウイルス、真菌、寄生虫などが他の動物や人に感染して肺炎を起こす可能性はあります。
猫の肺炎が治る確率
肺炎は早期発見、早期治療することで治りも早くなります。
完治する確率は肺炎を起こした猫の年齢や身体の抵抗力により異なりますが、仔猫や高齢猫では重症になるケースが多いと言えます。
細菌性肺炎は早期に適切な治療を施すことで完治すると言われています。
誤嚥性肺炎については突然発生し、重症化しやすいです。
治療が遅れると数日で死に至ることがあります。麻酔後の誤嚥性肺炎は致死率が高いとされています。
猫の肺炎の薬や治療期間と費用
肺炎は比較的症状が重いことが多く、治療には時間を要することもあります。
最も多く見られる細菌性肺炎は、適切な抗生剤が投与されれば2週間~2ヶ月ほどで完治するとされています。
肺炎の治療費はレントゲン検査や血液検査・入院・点滴などに数万~10万円以上かかるなど高額になることが多いようです。
原因により治療法にも違いがありますが、共通する治療法として発熱などによる体力の消耗に対し輸液や保温、栄養補給などが行われます。
また、ネブライザーの使用により気管支拡張剤などの薬剤を霧状にして吸入治療を行うほか、酸素吸入、鎮咳剤や去痰剤が使用されることもあります。
肺炎の原因に対しては、原因に合った抗菌薬や抗真菌薬、駆虫薬を投与します。
ウイルスに対しては抗ウイルス薬やウイルスを抑制するインターフェロンを使用し、アレルギーが原因であればアレルゲンとの接触をなるべく回避します。