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猫の下痢について
猫の下痢の原因
・食餌性
フードの急変や人の食べ物の盗み食い、過食は下痢の原因となります。
通常重症化することは無く数日で治ります。
・ストレス性
猫は環境の変化に弱いので、
引っ越し
近所で工事が始まる
他のペットが増えるなどで生活環境が変わると不安や恐怖を感じストレスになります。
嘔吐が見られることもあります。
・アレルギー性
下痢に対する治療をしても再発したり、皮膚炎を伴い身体を痒がったりする場合には、アレルギー性の下痢の疑いがあります。
・感染症(寄生虫・ウイルス・細菌)
仔猫や抵抗力の落ちている猫が感染症になると、酷い下痢になり命に関わることもあります。
特に猫汎白血球減少症(パルボウイルス)は下痢・嘔吐・食欲不振などが見られ、細菌の二次感染の脱水により死に至ることもあります。
仔猫の死亡率は90%とも言われ、妊娠中の猫が感染すると胎児にも影響します。
・消化器系の病気によるもの
胃腸炎や膵炎・膵外分泌不全・胆管系に異常のある場合には下痢を発症する場合があります。
・腫瘍・潰瘍
消化管の腺癌やリンパ腫、炎症性ポリープなどは下痢を引き起こします。
・異物の誤食
特に仔猫に多いですが、遊んでいる間に紐やゴム、ボタンなどの異物を誤って飲み込んでしまうことがあります。
この場合には下痢のほか嘔吐、食欲減退などの症状も同時に見られることが多いです。
飲み込んですぐであれば催吐処置により吐かせることが出来ますが時間が経過してしまうと開腹手術が必要になるので、疑いがあればすぐ動物病院を受診しましょう。
猫の下痢の時の食事
消化器系に異常があると、食欲が低下することはよくあります。
何でも良いので食べて欲しい、と考えいつも猫が食べ慣れていない特別なフードやおやつを与えると、下痢は余計悪化してしまいます。
お腹を休ませるために自然と食欲が抑えられていることもあるので、無理に食餌を摂らせる必要はありません。
下痢のときの食餌は、下痢の原因にもよりますが一般的には消化管に負担をかけないよう消化性の高いフードを与えます。
下痢が長く続く場合には、消化器疾患用の療法食に切り替えることもあります。
ロイヤルカナンの「消化器サポート」やヒルズコルゲート株式会社の「i/d」は、下痢などの消化器疾患に対応しています。
フードの切り替えの必要性については、獣医さんに相談しましょう。
猫が下痢してるけど元気
食餌の急変や盗み食い、アレルギーなどによる下痢では、元気がある子も多いようです。
しかし、下痢が長期間に及ぶと脱水症状を起こすので小まめに水分補給しましょう。
また、元気があっても下痢が長期に渡る場合や下痢以外にも嘔吐、食欲不振などの症状も伴う場合には、深刻な病気が隠れている可能性もあります。
元気が無くなってからでは手遅れになるケースもあるので、なるべく早く動物病院しましょう。
猫の下痢が続く
アレルギーや腫瘍・感染性疾病による下痢の可能性があります。
下痢や嘔吐が長期間に及ぶと、脱水・低血圧・出血などの症状が見られ命に関わるため、早目に原因を突き止め対処する必要があります。
猫の下痢対策
人間の食べ物を与えない
フードを急に変えない
過食させない
食べ慣れない物は与えない
などの日常的な食事管理は大切です。
フードの種類を変更する時には、今まで与えていたフードに新しいフードを少しずつ混ぜていき、最低でも1週間ほどかけて切り替えると良いでしょう。
また、ストレスをかけない、紐などの異物や毒物を食べさせないなど、生活環境を整えることも大切です。
感染症による下痢を予防する為にも、ワクチンは定期的に接種しましょう。
激しい下痢や嘔吐が続くと脱水症状になり全身状態の悪化を招くので、こまめに水分を摂取させしましょう。
猫の下痢の薬やビオフェルミン
原因により治療薬が異なりますが、細菌性の下痢では抗生物質、寄生虫感染では駆虫薬などを使用します。
フードの急変などによる単純な下痢では下痢を止める止瀉剤や消化管の運動機能を改善する薬などを使いますが、薬に頼らず絶食することで改善することもあります。
ビオフェルミンは乳酸菌の整腸剤であり、腸内環境を整える働きがあります。
人用と動物用があり、成分や嗜好性に多少の違いはありますが、人用のビオフェルミンを猫に与えても特に問題は無いとされています。
動物病院で人用のビオフェルミンが処方されることもあります。
一般的なビオフェルミン以外に「ビオフェルミン便秘薬」「ビオフェルミン止瀉薬」などがありますが、これらは乳酸菌以外だけでなく生薬等も含まれているので、服用させてはいけません。
また、「新ビオフェルミンS」には錠剤タイプと細粒タイプがあります。
猫は錠剤を飲むことが苦手な子が多いので、細粒をお勧めします。
ビオフェルミンはあくまで乳酸菌なので、激しい下痢を止めるといった絶対的な保証はありません。
改善が見られない場合は原因がウイルス性であったり何らかの病気によるものの可能性があるので、速やかに動物病院を受診しましょう。