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猫のインフルエンザについて
猫もインフルエンザになる?
2009年にイタリアで猫がインフルエンザにかかったことが確認され「新型H1N1パンデミックウイルス」に感染した猫の半数が症状を示し、25匹の猫が死亡しました。
そして、2016年12月から2017年2月にかけ、ニューヨークの動物保護シェルターで飼育されていた約500匹の猫に咳や鼻水などの症状が現れ、治療にあたっていた獣医師にも同様の症状が確認されました。
研究の結果、原因は低病原性H7N2鳥インフルエンザウイルスに由来する「H7N2猫インフルエンザ」であるとが判明しました。
それまで猫特有のインフルエンザウイルスは確認されておらず、大流行したのはこの時が初めてでした。
インフルエンザウイルスにはA型・B型・C型・D型があり、A型インフルエンザウイルスは感染する対象が多く、人や鳥、豚などの動物に感染します。
B型とC型は通常に人にだけ感染し、D型は牛で主に感染します。
H7N2猫インフルエンザはA型であることが確認されています。
このウイルスの病原性及び伝播力を調べる実験を行ったところ、H7N2鳥インフルエンザは主に猫の鼻のみで増殖していたのに対し、H7N2猫インフルエンザでは猫の肺・気管・鼻などの呼吸器でよく増殖出来るよう変異していました。
また、猫インフルエンザウイルスは飛沫感染と接触感染どちらでも感染することが判明しています。
既存の抗インフルエンザ薬に対する感受性を調べた結果、タミフルやリレンザなどの抗ウイルス薬も効くとされています。
人に感染した場合にはこれらの薬剤での治療が可能です。
猫を治療する場合、猫用の抗インフルエンザ薬は無いので、点滴や栄養などの対症療法を行うことになります。
また、細菌感染を伴うようであれば、抗生物質の投与なども必要になると考えられます。
猫のインフルエンザの症状
症状は軽く、東京大学の実験結果では特に著しい症状は示さなかったとされています。
ニューヨークの保護シェルターでは主に咳や鼻水などの呼吸器症状が確認されています。
猫のインフルエンザは人や他の動物にうつる?
猫同士での感染と、フェレットに接触感染することが確認されています。
哺乳類同士で猫インフルエンザに感染する可能性があるため、猫から人や犬、他の哺乳類に感染する恐れがあるとされています。