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猫の熱について
猫に熱があるかどうか知る方法
猫に熱があるか知る一番良い方法は体温体温計での測定ですが、体温計が手元に無い場合には猫の身体を触った時の感覚と、熱があったときに見られる症状(後述)の有無で判断します。
身体を触って判断するには、日頃から猫の身体を触り平熱の感覚を覚えておく必要があります。
足先や耳先、尻尾など身体の末端は体温が変化しやすいので避けます。
生えている毛の量によっても触った時の感覚は異なるので、内股や脇の下、お腹など毛の薄い場所で感覚を覚えておくと良いでしょう。
外傷などにより局所的に炎症を起こしているような場合には部分的に熱く感じることがありますが、身体全体が発熱している訳ではないので間違えないようにしましょう。
猫に熱があるときの症状
熱が出ると、元気消失・食欲不振・頻脈のほか、健常な猫には通常見られない開口呼吸(パンティング)などが見られます。
高熱が続くと脱水になることもあります。
また、何となくだるそうにしている、小刻みに震える、動きたがらない、いつもと違う場所で寝るなど行動に変化が見られる場合もあります。
症状が重度になると、
大量によだれを垂らす
ふらつきながら歩く
意識が朦朧とする
チアノーゼ
虚脱
痙攣発作
などの様子が見られ命に関わることもあるので、このような様子が見られたら早急な対処が必要になります。
猫の熱の測り方
猫の体温を測るには出来るだけ動物用の体温計を使います。
動物用体温計には角度がついていて肛門に挿入しやすくなっているものや、先端が柔らかく曲がるように作られたものがあります。
人用の電子体温計や水銀体温計も代用出来ますが、猫の肛門に入れるので、衛生的な観点から人と猫との兼用は控ましょう。
動物用の耳式の体温計も販売されていますが、直腸温よりも正確性に欠け、実際の体温より2℃ほど低く測定してしまうこともあると言われています。
また、値段が高めで電池交換が出来ないこともあり、あまり一般的に使用されていないようです。
猫は直腸温を測ろうとすると嫌がり身体をくねらせて逃げようとしたり、攻撃的になることがあるので、なるべく測定する人と猫を押さえる人の2人がかりで行いましよう。
タオルで身体を包み込んでも測りやすくなります。
直腸温を測るには、尻尾をやさしく持ち上げて肛門から体温計を入れて挿入します。
挿入部にベビーオイルやサラダオイルを塗ると滑りが良くなりスムーズに挿入出来ます。
挿入する深さは2~3cmくらいで、直腸の壁に添わせるように入れましょう。
浅すぎると正確な体温が測れません。
猫の平熱は人より2~3度高く、38~39度前後です。
若干の個体差はありますが、40度あれば熱があると考えましょう。
若齢期では体温が多少高く、高齢期になると低くなる傾向があります。
猫の熱が下がらない
猫で熱がある状態が続く原因は様々ですが、最も考えられる原因は感染症です。
猫エイズや猫白血病などがしばしば見られます。
発熱はウイルスなどの病原体と戦うために必要な身体の防御反応なので、重大な病気が原因で発熱している場合にむやみに熱を下げてしまうと、病原体と戦えずに基にある病気の治りを遅らせてしまう場合があります。
自己判断で解熱剤を飲ませて様子を見ることはやめましょう。
感染症以外では、肝炎・膵炎・食道炎などの炎症性疾患や、リンパ腫・肥満細胞種などの悪性腫瘍、熱中症などが考えられます。
発熱が長期間に渡り持続すると脳や内臓に悪影響を与え更に重い病気に繋がったり、後遺症が残ってしまう危険性があります。
高熱が続く場合には、様子を見ずに動物病院を受診しましょう。
重症化すると手遅れになることもあります。