犬の健康管理

犬の腹ばいは病気?身体を丸めたり後肢を投げ出して寝る理由・腹ばいで歩く理由

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犬の腹ばい

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犬がお腹を床や地面につけて腹ばいしているのはどんな時?

犬がお腹をぺったり床につけ、前肢の間に頭を置いたり、前肢の上に頭を乗せたりしながら、時々薄目をあけて飼い主さんの動きを追ったりしている愛犬の姿を見たことはありませんか?

こんな時、犬はくつろぎながら、飼い主さんの声や動きに反応できるように待機している状態です。

また、暑くなる時期であれば涼を求めて、冷たいフローリングの上で四肢をのばして、あるいは土を掘り返してひんやりした土の中でぺったりと腹ばいになる、なんてことも。

これで体が十分に冷やされればいいのですが、気温や湿度が高い時期は、四肢をのばして腹ばいになっても体の熱が外へ逃げていかず、熱がこもって、熱中症になってしまうことがあります。

犬の息がどんどん荒くなって、何度も場所を変えてはお腹を床につけて冷やせるような場所を求めている様子があれば、呼吸が楽な状態になるまで室内の気温や湿度を少し下げてあげましょう。

暑い時期でもないのに、四肢を伸ばしてお腹をぺったりと床や地面につけて息が荒くなっている時は、何らかの原因で発熱していて身体を冷やしたい時かもしれません。体温を測って普段より1~2℃以上高ければ動物病院で診ていただくようにしましょう。

四肢を伸ばして腹ばいになり、ぐったりしている時は意識が朦朧としていたり、意識がない状態かもしれません。

呼びかけにも反応しない場合は、様々な原因でショック症状に陥っている可能性が高くなります。

こんな時は、大至急、かかりつけの動物病院や緊急対応している動物病院に連絡を取り、『現在の愛犬の様子』について伝え、『病院へ行くまでの間に取るべき処置』を聞いて動物病院へ向かうようにしましょう。

犬が身体を丸めているのはどんな時?

犬が身体を丸めている

寒い時、犬は身体を横にして丸まっています。

より丸まって鼻が冷えないよう、鼻先を後肢の間にいれたり、尻尾で鼻先をおおったりしている時は、寒さが厳しい時。こんな時は暖房をつけてあげるか、ケージを毛布でおおったり、ペットヒータをつけてあげたり、と寒さ対策をしてあげた方が良いでしょう。

寒くもないのに丸まっている時は、膵炎や腹膜炎、腸閉塞などを起こしてお腹が痛いのを耐えている時かも知れません。

犬はお腹が痛い時、横になって丸まっている時もありますが、お腹をかばうように背を丸めてうずくまったり、腰をややあげた状態で肘をついて頭をさげる『祈りのポーズ』を取ったりすることがあります。

膵炎や腹膜炎の時は、吐き気を示したり、吐いたりといった消化器症状がみられることもあります。

腸閉塞の時には吐き気や嘔吐が頻繁にみられるほか、排便したそうにいきむけれど便がほとんど、あるいは全く出ない、といった症状が見られます。

この他にプルプル震えたり、歯を食いしばったり、背中やお腹を触った時に嫌がったりする様子があるようであれば、なるべく早く動物病院で診てもらうようにしましょう。

犬が後肢を投げ出して寝ているのはどんな時?

股関節と膝関節を曲げて、足の裏を地面につけたまま眠っている伏せの状態は、何かあった時にすぐに立って動き出せるような姿勢です。

足の裏が地面から浮いた状態、例えば横になって後肢を左右どちらかに投げ出して眠っている姿勢はかなりのリラックス状態です。

犬の中にはうつぶせ寝の状態で大の字になって眠る子がいますが、後肢をピンとまっすぐ伸ばして眠っているのは完璧なリラックス状態と言えるでしょう。

これは股関節の可動域(股関節を前後に動かせる範囲)が広い子犬などでよくみられる寝姿です。

後肢を投げ出して寝ている姿は基本的にリラックスしている状態なので、この寝姿は病気とは関係がありません。

ただ、後肢が尻尾の方向へあまり伸びていない寝姿ばかりの時は注意が必要です。

股関節が十分に尻尾の方向へ伸ばせない状態、すなわち、変形性関節症や股関節の亜脱臼、股関節形成不全などによって関節炎が起こっている可能性があります。

寝起きにギクシャクとした歩き方をする、腰をよく振ってあるく、足を引きずったりする、といった様子があれば動物病院で診てもらうことをお勧めします。

犬が腹ばいで歩くのはどんな時?

犬も赤ちゃんの時、ヒトと同じように腹ばいで歩きます。

ただ成長がヒトに比べてかなり早く、個体差はありますが、おおよそ生後1週齢前後から前肢を使っての移動、いわゆるハイハイが少しずつできるようになります。

生後2週齢前後になると四肢でなんとか立ち上がることができるようになってきますが、まだ後肢の発達が十分ではないため、しっかり歩くことはできません。生後3週齢前後で四肢を使って歩くことができるようになってきます。

健康な成犬が腹ばいで歩くことは滅多にありません。

暑さで怠惰になった犬が目の前におかれたご飯を食べようと這いずって動くこと、フセを命じられた犬が目の前のおやつ目指してズリズリと這いずって動くことはあるかもしれませんが…。

もし、犬が前肢だけを使って移動するようなことがあれば、胸から腰にかけての椎間板ヘルニアなどの椎間板疾患、脊髄内外の腫瘍や変性性脊髄症といった脊髄疾患が最も疑われます。

こういった病気は徐々に進行していることが多いため、初期の徴候として後肢がもつれる、転びやすくなった、後肢の先を引きずるといった症状がみられたり、背中を触ると嫌がる/痛がる、といった症状がみられます。

ただ、椎間板ヘルニアの中には初期の徴候がほとんど見られず急激に発症するものがあります。

愛犬の歩き方が前述のようにおかしくなった場合は動物病院で筋骨格系や神経系などに異常がないかどうかしっかりチェックしてもらうようにしましょう。

突然、後肢が満足に動かせなくなった場合は緊急状態です。至急動物病院を受診するようにしましょう。

 



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