Contents
猫の腫瘍について
猫の腫瘍の種類
腫瘍は良性と悪性に大別されます。
良性腫瘍は発育速度が遅く転移の可能性が低いものであり、基本的に影響は局部に留まります。
悪性では発育速度が速く、離れた臓器に転移し全身に影響を与えます。
腫瘍の名称は、転移の有無や発生部位により異なり、全身に発生する可能性があるためその種類も様々です。
猫には
リンパ腫
扁平上皮癌
繊維肉腫
肥満細胞腫
黒色腫(メラノーマ)
基底細胞癌
脂肪腫
乳腺腫瘍
軟部組織肉腫
腺癌
平滑筋腫
平滑筋肉腫
形質細胞腫
骨肉腫
軟骨肉腫
血管肉腫
組織球性肉腫
横紋筋肉腫
滑膜肉腫
などがあります。
猫の腫瘍の原因
基本的には細胞の無秩序な異常増殖や遺伝子の突然変異により起こります。
何らかの原因により細胞内の遺伝子(DNA )が傷つけられると、細胞の異常な増殖に歯止めがかからなくなり腫瘍になります。
高齢になるにつれ発生するのは、細胞の遺伝子が長期に渡り少しずつ障害された結果とも考えられます。
他にも、次のような要因が考えられます。
・化学的要因
大気汚染物質や排気ガス・農薬・除草剤・タバコの煙・食品添加物などの化学物質は発癌するリスクが高くなるとされています。
・物理的要因
日光や紫外線・放射線・磁場・熱傷などの物理的に発癌要因となる可能性があります。
特に白色系の猫は日光や紫外線により扁平上皮癌を発症するリスクが高いとされています。
・ホルモン的要因
乳腺腫瘍にはホルモンの影響が考えられます。
早期に避妊手術をすることで発生する確率を減少させることが出来ます。
・生物学的要因
猫白血病ウイルスや猫免疫不全ウイルスに罹患すると、血液細胞の白血病やリンパ腫を引き起こすとされています。
猫の腫瘍の症状
良性の場合は比較的ゆっくりと増殖し、転移の可能性は少ないです。
周りの組織に浸潤しにくく、徐々に膨らむように大きくなります。
影響は局部に留まりますが、猫が気にして舐めるなどして傷つけたり、脇の下に出来て大きくなり歩きにくくなるなどの機能障害を起こすことがあります。
悪性の場合は増殖するスピードが早く、周りの組織に浸潤して広がっていきます。
離れた臓器に転移し、更にその転移したがん細胞も増殖します。
腫瘍が出来た部位により症状は異なりますが、呼吸器系や循環器系に腫瘍が出来れば呼吸が速くなる・咳込む・疲れやすくなるといった症状が見られ、消化器や生殖器に出来れば腹部膨満や下痢・血便などが見られます。
骨や筋肉・神経系では足をかばう・歩きたがらない・身体を触ると痛がるなどの様子が見られ、腎臓に出来れば腎不全になります。
どの癌にも共通して言えることは「痩せる」ということです。
癌細胞はエネルギーをどんどん消耗していくので、体重が減少してしまいます。